大きなプロジェクトを終えたとき、あるいは成果を出したとき。ふと口にした一言が、思わぬ誤解を招いたり、周囲の反発を買ってしまったりすることがあります。
発信者に悪気はなくても、言葉のチョイス一つで「慢心している」「当事者の気持ちをわかっていない」と判断されてしまうのは、非常にもったいないことです。
今回は、リーダーや情報発信者が、「言葉のミスマッチ」を防ぎ、誠実さを伝えるための3つのポイントをご紹介します。
1. 「完了」の視点を自分から「相手」に移動させる
仕事において、自分が「やり切った」と感じる瞬間と、周囲が「恩恵を受けた」と感じる瞬間には、必ずタイムラグがあります。
- 自分にとっての完了: 決裁が通った、契約を結んだ、方針が決まった。
- 相手にとっての完了: サービスが手元に届いた、生活が実際に改善した。
自分が達成感を感じているタイミングで「完了」や「成功」という言葉を強く使いすぎると、まだ恩恵を受け取っていない人々には「無責任な幕引き」に見えてしまいます。
【コツ】 大きな節目では「完了」と言い切るのではなく、「大きなハードルを越えた」「ここからが新たなスタートだ」という、継続性を感じさせる表現を選ぶのが賢明です。
2. 「達成感」を「使命感」に変換する
成果を報告する際、感情のベクトルをどこに向けるかで、聞き手の印象は180度変わります。
- 達成感(自分向き): 「ついに成し遂げた」「目標をクリアした」
- 使命感(相手向き): 「ようやく責任を果たせる一歩を踏み出した」「皆様の期待に応える準備が整った」
自分を主語にした達成感の強調は、時に「手柄自慢」として映ります。特に社会的な影響力が大きいトピックほど、言葉の重心を「果たした責任」や「今後の約束」に置くことで、謙虚さと誠実さを両立させることができます。
3. キャッチーな言葉の「副作用」を警戒する
カタカナ語や流行語、あるいは映画のセリフのような比喩表現は、短く印象に残るため、つい使いたくなるものです。しかし、こうした言葉は「解釈の余地」が広すぎるという弱点があります。
カッコいいフレーズが、受け手によっては「状況を軽んじている」「パフォーマンス優先だ」という不快感に繋がることも少なくありません。
【コツ】 重要で繊細な局面ほど、キャッチーなフレーズの誘惑を抑え、「平易で、誤解の余地がない日本語」を選びましょう。派手さはありませんが、正確な言葉遣いこそが、最も強固な防御策になります。
まとめ:言葉は「届いた形」がすべて
コミュニケーションの正解は、発信者の意図(What I said)ではなく、受信者の解釈(What they heard)にあります。
「この一言で、今まさに苦労している人はどう感じるか?」 「この表現で、自分は『特権階級』に見えないか?」
発言の直前に、ほんの数秒だけ「最も厳しい視点を持つ誰か」を想像してみる。そのひと手間の想像力が、あなたの築き上げてきた信頼を守ることにつながります。
#ミッションコンプリート




