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政治ポスターの致命的なミス。なぜ「お書きください」はCTAとして三流なのか?

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お書きください

選挙ポスターなどを見ていて、いつも感じる強烈な違和感。 それは、各党がこぞって使う「〇〇とお書きください」というフレーズです。

一見、丁寧で親切な案内に見えるかもしれません。しかし、マーケティングの視点、特にCTA(Call to Action:行動喚起)の設計という観点から見ると、これは致命的な「失敗例」と言わざるを得ません。

1. 「手段」をCTAにする愚

マーケティングにおいて、CTAはユーザーが最終的に達成すべき「ベネフィット」や「目的」に直結している必要があります。

  • ECサイトなら: 「今すぐ購入する」
  • 資料請求なら: 「最新の事例を手に入れる」

これに対し、「お書きください」はどうでしょうか。 これは単なる「物理的な作業(手段)」の指示です。ユーザー(有権者)に「ペンを動かすこと」をゴールだと錯覚させてしまいます。手段をCTAに据えてしまうと、メッセージの熱量は一気に冷め、事務的な手続きの面倒くささが勝ってしまいます。

2. 「書いて、投票しない」という論理的欠陥

さらに深刻なのは、この言葉が「コンバージョン(投票完了)」を定義できていない点です。

「お書きください」と言われ、その通りに書いた。しかし、そのまま投票箱に入れずに持ち帰ったり、白票を重ねたりする選択肢も論理的には排除されていません。 「書いて投票しない」という離脱ルートを残してしまっているのです。

優れたCTAは、迷いなくゴールまでユーザーを導くものです。「書く」という中間指標(マイクロコンバージョン)に固執するあまり、肝心の「投票(最終成約)」というアクションを軽視しているように見えます。

3. 日本語としての不自然さと「心理的摩擦」

そもそも「お書きください」は、日常のコミュニケーションとして不自然です。 丁寧な装いをしているものの、本質は「うちの党名を記入せよ」という命令です。この「丁寧さと強制力」のギャップが、ユーザーに無意識のストレス(摩擦)を与えます。

もし私がコンサルティングをするなら、迷わずこう書き換えます。

「〇〇にご投票をお願いします」

これならば:

  • 目的が明確: 「一票を託す」という本質的な行動を促している。
  • 敬語が自然: 漢語(投票)に「ご」をつける形は、現代の日本語として座りが良い。
  • 対等な関係性: 作業の指示ではなく、有権者への誠実な「お願い」として響く。

4. SNS時代の政治に求められる「UXデザイン」

今の有権者が求めているのは、マニュアルではありません。自分の意思がどう社会に反映されるかという「体験(UX)」です。

「お書きください」という事務的なトーンは、政治と国民の間に見えない壁(ディスコミュニケーション)を作っています。こうした古い慣習に縛られた言葉選びこそが、政治を「自分事」から遠ざけている一因ではないでしょうか。

結論

言葉一つで、その組織が「誰を向いて仕事をしているか」が透けて見えます。 内向きな論理で「書き方」を指示する政治から、有権者の意思に寄り添い「投票」を呼びかける政治へ。

SNS時代の政治マーケティングには、まずこうした「当たり前だと思い込んでいる不自然さ」を疑う感性が必要です。


[あとがき] 「お書きください」という表現を使い続ける政党。皆さんはどう思いますか? 他にも「これって変じゃない?」と思う選挙の言葉遣いがあれば、ぜひ教えてください。

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